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スズメバチの巣の駆除に補助金がある自治体 5市区の制度を比べた

スズメバチの巣の駆除費用に補助を出している自治体があります。ただし全国一律の制度ではなく、市区町村が独自に条例や要綱で決めているため、隣の市にあって自分の市にはないということが普通に起きます。

さらに、あっても中身がまるで違います。上限7千円のところもあれば5万円のところもあり、非課税世帯だけが対象の市もあります。そして一番落とし穴になりやすいのが、駆除してから申請しても受け付けない自治体があることです。

ここでは、公式ページの更新が比較的新しい5つの自治体を並べて、制度の形と申請でつまずく箇所を整理します。数字はすべて2026年7月時点で公開されている各自治体の公式ページによります。

5自治体の制度を並べるとこうなる

自治体補助率上限額対象者申請の順番対象のハチ
静岡市率の記載なし(上限額のみ)11,000円市民税非課税世帯・生活保護受給世帯のみ。事業所・公共施設・賃貸は対象外協定事業者による除去が前提。本人申請と、委任状による事業者の代理申請の2方式スズメバチ(アシナガバチは対象外)
成田市2分の150,000円市を通じて指定業者に依頼した人事前のみ。駆除後の事後申請は対象外スズメバチ亜科のみ
水戸市消防局2分の110,000円1人につき年1回限り事後。領収書原本と写真が要る公式ページで確認
江戸川区3分の1(消費税を除く、千円未満切り上げ)7,000円/高所作業車を使った場合は14,000円区内の個人住居のみ。事業所・マンション共有部・賃貸は除外2025年4月1日から電子申請が可能。処理期間は最大1ヵ月半程度カラスの巣とスズメバチの巣
高崎市市が委託した業者が駆除し、市から補助を受ける仕組み同上(率・上限は公式ページで確認)山林・原野・河川等、日常生活に支障のない範囲の巣は対象外市に申し込むのが先。申込期間は令和8年4月1日〜令和8年12月28日スズメバチのみ

各ページの更新日は静岡市が2026年4月22日、成田市が2024年4月1日、水戸市消防局が2026年4月2日、江戸川区が2026年6月24日、高崎市が2026年4月1日です。年度で条件が変わるため、実際に使うときは必ず最新のページを見てください。

制度には3つの型がある

並べてみると、自治体が用意している対応は3種類に分かれます。

① 駆除費用の一部を補助する(静岡市・成田市・水戸市・江戸川区)

住民が業者に払った費用の一部を、あとから、あるいはあらかじめ決められた手続きに沿って補助するタイプです。もっとも数が多い形ですが、率と上限が自治体ごとにばらばらで、江戸川区の3分の1・上限7千円と成田市の2分の1・上限5万円では、受け取れる額が一桁違ってきます。

② 市が委託業者を手配し、その業者に補助を出す(高崎市)

高崎市は市が直接駆除するわけではなく、市が委託した専門業者が駆除して、その業者が市から補助を受ける形をとっています。住民から見ると「市に申し込むと業者が来る」という流れになるので、自分で業者を探して呼んでしまうとこの仕組みには乗れません。成田市も「市を通じて指定業者に依頼した場合のみ」なので、実質的にはこの型に近い運用です。

③ 補助は出さず、防護服を貸す(横浜市・水戸市消防局)

横浜市は「福祉保健センターでは巣の駆除は行っていませんが」と明記したうえで、相談・駆除業者の紹介・防護服および駆除器具の貸出の3つを提供しています(2025年11月10日更新)。補助金の記載はありません。水戸市消防局も、補助制度とは別に北消防署・南消防署で防護服を無料で貸し出しています。

つまり水戸市のように、①と③を両方やっている自治体もあります。「補助金がない=何もしてくれない」ではないので、金額の制度だけを探して終わりにしないほうがよいです。

ただし、防護服を借りられることと、自分で取ってよいことはイコールではありません。スズメバチは巣を守る本能が非常に強く、装備があっても危険は残ります。どこまでが自力の範囲かは自分で取っていい場合と、絶対にやめる場合で整理しています。

申請でつまずくのはこの4か所

制度があるのに受け取れなかった、という事故はだいたい手続きで起きます。

成田市:駆除後の事後申請は受け付けない

これが一番痛い形です。成田市の補助は市を通じて指定業者(千葉県害虫防除協同組合/043-221-0064)に依頼した場合が対象で、先に自分で業者を呼んで駆除を済ませてしまうと対象外になります。急いでいるときほどネットで見つけた業者に電話してしまいがちですが、成田市の場合は市役所2階の環境衛生課(平日8時30分〜17時15分)が先です。

水戸市:写真3枚と領収書原本、しかも窓口持参のみ

水戸市消防局の補助は、添付書類に駆除前・駆除後・巣の周辺の写真3枚と、領収書の原本が必要です。そして郵送では受け付けておらず、市役所4階の消防局窓口に持参する必要があります。駆除前の写真は、あとから撮り直しがききません。業者が来る前にスマートフォンで撮っておかないと、条件を満たしていても申請できなくなります。

江戸川区:高所作業車を使うと上限が倍になる

江戸川区は通常の上限が7千円ですが、高所作業車を使った場合は1万4千円まで上がります。巣が高い位置にあって作業車が必要だった場合、見積書や領収書に作業内容が書かれているかどうかで受け取れる額が変わります。金額の内訳が「一式」としか書かれていない請求書は、この点でも不利になります。請求のされ方そのものが問題になる事例については蜂の巣駆除の高額請求事例と相談件数にまとめました。

静岡市:そもそも対象者が限定されている

静岡市の補助は市民税非課税世帯と生活保護受給世帯が対象で、それ以外の世帯は制度の外です。金額の条件だけを見て「静岡市には11,000円の補助がある」と読むと、実際に申請しようとした段階で外れます。

予算枠がなくなると年度の途中で終わることがある

もうひとつ、金額や条件とは別の注意点があります。補助金には予算枠があり、枠を使い切ると年度の途中で受付を打ち切る自治体があることです。

西東京市のハチの巣駆除に関するページには、確認した時点で「令和5年度の受付けは終了しました」という表示が出ていました(西東京市/2024年1月17日更新)。このページは更新が古いため金額や条件の根拠には使えませんが、こういう終わり方をする制度があるという事実の例にはなります。

スズメバチの巣が大きくなるのは夏の終わりから秋にかけてで、駆除の依頼もその時期に集中します。つまり、申請が集中する時期と枠が尽きやすい時期は重なります。「去年あったから今年もある」とは限らないと考えておくのが安全です。

自分の市に制度があるかを調べる手順

一覧でまとまった全国データベースのようなものは存在しません。地道に確認するしかありませんが、順番はあります。

  1. 「市区町村名 スズメバチ 補助」で検索する。 このとき、ドメインが .lg.jp の公式ページを開きます。民間の比較サイトが上位に来ることが多いですが、金額が古いまま放置されていることがあるので、必ず自治体自身のページで確かめてください。
  2. 見つからなければ「市区町村名 ハチ 駆除」で探し直す。 補助金がなくても、防護服の貸出や業者紹介の案内が出てくることがあります。
  3. それでも出てこなければ電話で聞く。 窓口は自治体によって分かれていて、環境課・環境衛生課・生活衛生課・保健所のいずれか、あるいは消防局(水戸市はここ)です。代表番号にかけて「ハチの巣の駆除の補助について」と言えば回してもらえます。
  4. ページの更新日を必ず見る。 数年前の更新日のまま残っている案内は、金額も条件も変わっている可能性があります。

そもそも自治体が無料で撤去してくれるケースもあり、その場合は補助金の話にすらなりません。区が取ってくれる条件と、取らないと明記している自治体の違いは市区町村が駆除してくれるのかで条件ごとに比べています。

この記事の数字について

本文中の金額・条件はすべて、各自治体の公式ページを2026年7月時点で確認したものです。補助金は年度単位で見直されるうえ、予算枠の消化状況によって受付期間も変わります。実際に申請する前に、必ずお住まいの自治体の公式ページで最新の内容を確認してください。

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